12.24.2017

協力隊候補生 訓練の様子(生活編)


今回の内容

・協力隊員になれるまで

・派遣前訓練

・訓練の様子(生活編)

・訓練の価値




さま、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

青年海外協力隊員になるには、どうすればいいのでしょうか?

単純に採用試験に合格するだけ・・・というわけではありません。

今回から何回かに渡って、採用試験受験から、正式に

隊員になるまでの様子をご紹介します。


※私は民間連携枠での参加なので、一般隊員とは少し

違う部分があることをご承知おきください。








協力隊員になれるまで


間連携枠で協力隊員になるまでには、大きく4つのステップがあります。





通常は直接JICAの試験に応募するのですが、

私の場合は事前に社内公募・試験がありました。

ここで、企業にとって価値のある人材であり、協力隊員として派遣しても

問題のない良識と能力を備えていることを証明しなければなりません。



その後、JICA側と会社側の間で、応募する要請内容などが整合され、

JICA側から提示された要請内容に対して、
 
会社の代表として受験します。

ここで、協力隊員として相応しい素養を備えていることを

証明しなければなりません。



質問内容・提出書類は多岐にわたりますが、採用のポイントは

次のような感じではないでしょうか。(異論は認めます。)

  ・健康状態(定期的な通院などは危ないかも)

  ・国際協力に対する熱意・協力隊に対する動機

  ・能力適正・専門性(社会人経験を通した専門性は◎)

  ・適応能力(協力隊に類する経験や海外勤務経験は◎)



見事JICAの試験に合格すれば、

事前の手続き・黄熱病等予防接種・事前学習課題などが要求され、

それをすべてこなせば派遣前訓練に参加できます。



ここで重要なのは、「試験にパスしても、まだ隊員候補生」

ということです。

派遣前訓練を無事に終了し、最終試験に合格して初めて、

青年海外協力隊員になれるのです。



派遣前訓練

隊次に限ると、受験者は1900人ほどで、

訓練参加者は280名ほどです。

ただ、職種によって倍率はまちまちで、

青少年活動のように超人気・高倍率の職種もあれば、

常に人材不足に見舞われている職種もあります。



隊員候補生たちは、派遣地域等に基づいて、

大きく2つの訓練所に分かれて派遣前訓練を行います。

  ・福島県 二本松訓練所(アジア・中東・アフリカなど)

  ・長野県 駒ヶ根訓練所(中米・アジアなど)



訓練では、以下のようなことをやります。

  ・語学

  ・危機管理・健康管理など

  ・異文化理解・国際協力への理解など

  ・体力づくり

  ・調査手法などの基礎技術

  ・隊員同士のネットワーク作り


個人的には、訓練で最も重要なのは隊員同士の

ネットワークづくりだと思いますが・・・

訓練の様子をご紹介しながら、考えてみたいと思います。




訓練の様子(生活編)


員候補生の1週間を見てみると、月〜土まで訓練で、

祝日も講義があります。

日曜には宿題やスタディーツアーをやるので、

実質休みは無いと言えます。

スタディーツアーの内容などはまた別枠でご紹介しますね。



訓練は70日間で、かなりつめつめです。

標準的な1日の流れは、次のような感じでしょうか。



各候補生には小さな自室が与えられますが、

勉強机とベッドがあるだけの簡素な部屋で、

水廻りはすべて共用になっています。



床直後から就寝直前まで、ほとんど誰かと一緒です。

「一人の時間が長く欲しい」という人には、
 
正直厳しい空間ですが、私のように浪人時代からほぼ10年間、

寮などで常に誰かと一緒に生活していた人にとっては、

ただただ楽しい訓練です。

また、自由時間があるようで無い(課題などに追われる)ため、

苦しみを共にする中で自然と、めちゃくちゃ仲良くなります。




訓練の価値


本松訓練所に関しては、国立公園の中、安達太良山に近い

標高の高い場所にあるため、最寄りのコンビニが徒歩25分という、

完全に外界と遮断されている状況です。

11月上旬には雪が積もりはじめます。

雪に閉ざされた静かな山中で、70日間、四六時中ともに

訓練を受けていたら、かけがえのない友情や、

ロマンスの1つや2つ、3つや4つ生まれるというものです。



ここで重要なのが、仲良くなっても狎れ合わないことです。

異なる専門性を持った人々が集まるため、お互いの専門性を

教え合い、教養を広げたり、技術移転のノウハウを磨いたりするチャンス!

千差万別の専門性の方から、様々な仕事観、人生観を垣間見れたのは、

今後の人生を考える上でも非常に参考になりました。



そして、これは活動においても重要になると思われます。

青年海外協力隊あるあるとして、よく

「行ってみたら聞いてた要請内容と違う」

ということが言われます。

刻々と状況が変わる現地側で要請が書かれてから、

隊員が派遣されるまでに一年ほど経過するということは

ざらにあるわけで、そうなると当初の要請から、

現地のニーズが変化するのはごく普通のことです。



これはつい先日、帰国隊員から聞いた話ですが、

「障がい者支援」の要請で派遣されたのに、

現地のニーズは対象者の職業訓練だったため、

PCの授業を依頼されたそうです。

彼女は特別支援のプロではあっても、

PCインストラクションのプロではない

そんな時、重要になるのが隊員同士のネットワークです。

同期隊員の中にはPCインストラクターもいるため、

彼らに教材や、ワークショップのアイディアなどの相談に

のってもらい、不足した専門性を補完して、

現地側のニーズに応えたようです。



そんな話を聞くにつけ、(訓練で得る知識は重要・有用ではあるものの)

その最大効果は、隊員同士でつくる深い絆ではないかと思うのです。






回は訓練の様子(生活編)の続きと、語学編をお送りします!

訓練の様子や協力隊員について、ご質問があれば承ります。

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