皆さまこんにちは!
今、htmlとCSSを勉強していて、練習も兼ねてページ内ジャンプを導入してみました!
下の表の目次を選ぶと、その箇所にジャンプできるのでお使いください。
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配属先のサポートが無い中で、活動対象になるグループを探す旅に出発。
乗合バスステーションでの聞き込みで手がかりを得た私は、男の子をガイドに雇ってUmoja Oneという所にやって来ました。
さあ何があるのかな。
乗合バスの駅で出会った男の子はUmon a Oneという土地に連れて行ってくれました。
そこにあったのはWnayororo dairiesという乳業組合。
この名前、見覚えがあります。
先代隊員までが活動対象としてリストアップしていたヨーグルトメーカーです。
リストに住所まで記載がなかったし、(っていうかケニアに正確な住所という概念がない)、電話番号も死んでいたので追跡できなかったグループの1つに行き着いたようです。
男の子とはWanyororoの入り口でお別れして、早速門を叩いてみました。
「たのもー!」
出てきたのはくたびれたシャツを着たガリガリのおじさん。
ここでは親愛を込めてムワンギ(仮名)と呼びます。
ムワンギ「おや日本人?」
ま「そうです!」
「こんな所にどうしたんです?」
「Sさん(先代)か、Yさん(初代)という隊員を知ってますか?」
「ああ、Y!彼女元気ですか?」
「直接面識はないんですが、元気だと思いますよ。
彼女の後任として、挨拶しに来ました。」
「ほおそうですか。連絡くれれば出向いたのに。」
「電話番号繋がらなかったんですよ。」
「ああ、この間ケータイ無くして・・・」
この後30分ほどかけて、挨拶と自己紹介、そして協力隊の仕組みなどを説明しました。
いよいよ活動の話をしようと、何か課題は無いか聞き込みに入ります。
「もし良ければヨーグルトを購入したいのと、可能なら製造工程も拝見したいのですが?」
「いいですよ。こっちが製造ゾーンです。」
製造工程を少し案内してくれました。
6畳ほどのワークスペース2つ。
こじんまりしてはいますが、クーラーやボイラー等もあり、きちんとした手順で製造されています。
「まずぃわららとヨーグルト、どっちがいいですか?」
「まずぃ・・・何?」
「乳酸菌によって発酵したミルクそのままがMaziwa lalaで、そこに砂糖とフレーバーを入れたのがヨーグルトです。」
「両方ください。いくら?」
「500mlが70円。300mlが40円。」
「安い!300mlを一つずつで。」
そうしたら、容器からトロッとしたものをカップについでくれました。
飲むヨーグルトといった感じ。
飲んでみると・・・
「う、うんめぇー!!!!」
トロトロの食感、濃厚なで芳醇なヨーグルトの香りと、爽やかなのにコクのある甘み。
「こ、これは日本でも飲んだことない旨さです!」
「ありがとう。ニコッ」
「今はどこに卸してるんですか?」
「実は出荷停止になってるんです。」
「え!?」
彼らは昨年なんとかそれを取得し、市場参入に成功しました。
しかし喜んだのもつかの間。
すぐにスーパー側から仕入れ拒否されてしまいました。
「店頭に並ぶ前に、パッケージがダメになってしまうんです。」
「実物か画像はありますか?」
「はい、これです。」
プラスチック製のカップに紙のラベルを貼って出荷していたようです。
しかし、できたばかりのヨーグルトは冷たいため、カップに結露ができ、その結露を紙のラベルが吸収。
滲みとシワが出来ています。
「確かに見た目上良くないですね。」
「スーパーの言い分では、バーコードが読めないからと。」
「!!」
数字は(基本的に)国コード、企業コード、商品登録番号等から成り、この数字を見れば、どの企業のどの商品か、特定できます。
小売業では仕入れ時にバーコードを読む事で、ちゃんと発注数来たか、ちゃんと倉庫に入ったかなどの在庫管理をデータ上で行います。
販売時に再びバーコードを読む事で、どの商品がいくつ売れたかも記録され、在庫管理が完了すると同時に売上管理もできます。
バーコードが読めないという事は、実質的に大手小売業で取り扱えない事を意味します。
ムワンギにバーコードの仕組みを説明しました。
興味ないだろうとは思いましたが、スーパーの言い分が理不尽でないことを理解して欲しかったし、私の知識をひけらかして【若造に見えるけどプロだ】という印象を持ってもらいたかったのです。
するとムワンギは身を乗り出して、
「需要はあります。問題はパッケージだけなんです。」
よし、ここは押すべきタイミング。
「ヨーグルトの美味しさに感動しました。この製品は世に出すべきものです。」
「私は日本のメーカーで働いてきました。
バーコードの問題にも、パッケージの問題にも明るい。
是非力にならせていたただきたい。
あなたの商品を市場に届けるお手伝いがしたいのです。」
「わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」
やった!
はじめてのお客さん!
はじめてのお客さんを得てとっても嬉しかったのですが、ここからが正念場。
表面上上手く行っても、信頼関係ができないとダメだという事を、市場のお母さんへのアタックが失敗した時に思い知りました。
「ラベルが問題だとすると、方向性は2つでしょう。
1つは、ラベルの材質を変えること。
もう1つは、牛乳パックにしたり、容器自体にプリントしたりして、ラベルを廃止する方向。」
「そうですね。」
でも、ここまできちんと製造している人たちです。
その程度のことやってない訳が無い。
「既に試みられたのでは?」
「そうなんです。でも、初期投資が大きすぎて。」
どうやら容器会社といくつかの印刷会社を回ったようですが、牛乳パックは最小ロットが2,500pcsと巨大で断念。
印刷会社も最小ロットで30万円の費用がかかり、とても今の資本では発注できなかったそう。
思わず支払い可能な予算や、利益率を聞きたくなりましたが、信頼を作るまで、デリケートな話題は避けるべきでしょう。
そこで代わりに。
「難しい問題ですが、きちんと整理すれば打開策が見つかるかも知れません。
Fishbone Diagram作りませんか?」
「??」
魚の背骨に見立てたツリーに、まず大まかな発生しうる問題のカテゴリー(製造プロセス、素材、販売プロセスなど)を書き込みます。
それから、カテゴリーごとに細かく問題の要因を書きこみます。
(製造プロセス:ヨーグルトを入れた後長く放置している、容器表面の水分を拭き取っていない、ラベルを貼るのが早すぎる、など)
プロブレムツリーと働きも見た目も似ていますが、まずカテゴリーに分けてから細分化するため、問題の抜け漏れが少なくなるのが特徴です。
「分かりました。どうやって作るんですか?」
「いえ、私が手を動かしますので、今までの経緯を聞かせてください。」
私は青年海外協力隊員です。
言い換えれば、草の根の技術移転のために来ています。
自分の手を動かしても、技術移転できませんので、この態度は隊員失格です。
それでも、ここでは私がやるべきだと判断しました。
まだ会って初日にしては、彼らの内情に踏み込み過ぎていると感じています。
やっている事に信頼を追いつかせないと、マズい気がします。
経験上、最も効率的な信頼の作り方は、その人の役に立つことです。
短時間で良い分析をし、解決案を複数出す事で、「頼りになる」と思わせたい。
ここで魚の骨を使う事で、信頼形成と問題の深掘りを同時に行おうと考えました。
聞き取りと同時に資料に書き込み、ダイアグラムを完成させて問題の構造を説明しました。
・ラベルの単価を抑えるために全品種(味×サイズ)を同時発注したが、資金が足りていない。
・資本金調達手段がない。
・社員3人のため、新たな印刷会社を探すマンパワーが無い。
・現在ローカルに牛乳を直販して食いつないでいるが、利益率が低く資本形成困難。
「以上の課題を見るに、いくつか解決手段が考えられます。」
「最も単純なのは、新たな印刷会社を探すため、私がマンパワーになる事です。
友人に印刷会社の社員がいますので、日本の知見も得られるかも。
でも、ムワンギさんは既にいくつかの印刷会社で試みて失敗しているので、望み薄かも知れません。」
「2つ目は、品種を絞って発注する事です。
売れ筋商品に絞って発注する事で印刷の”版木”の数を絞り、費用を抑えられると思います。
少品種でもスーパー側が受け入れるよう交渉が必要ですが、ヨーグルトはうまい。
商品力が高いのでテスティングさせたら活路が開けるかも。
ラベルの発注単価も上がりますが、きちんと原価分析して計画的にやれば、不可能ではありません。」
「3つ目は、資金調達です。
政府から補助金や低金利の貸付を得る方法がないか、調べて来ます。
それと、最近ではマイクロファイナンスやクラウドファンディングなど、資金調達の手段が増えてきました。
マイクロファイナンスは金利の返済がリスクになりますが、クラウドファンディングはより低いリスクで試せます。
これもやり方を調べてきます。」
ここまで説明すると、ムワンギの表情が明るくなりました。
「私はどうすれば?」
帳簿を確認したいのは事実ですが、午前の仕事を放り出してここまで付き合って頂いたのです。
これ以上要求せずに、次は私が提供すべき番ではないかと思いました。
「何も。今言ったプランが現実的か、下調べをした上でまとめて来ますので、次回、時間を頂ければ有難いです。」
「いつでも。そちらの都合がいい時に。」
「では明々後日。土日を挟んで来週月曜はどうですか?」
「!?そんな早く出来ます?」
「調査が終わらなければ、再度ご連絡しますが、多分できます。」
「分かりました・・・!」
"明後日"は私にとってギリギリです。
本日は金曜日。
午前を使ってしまったので、午後と土日しかありません。
でも、スタートダッシュが速ければ速いほど、後は力を抜いても慣性で動けることは、過去のプロジェクトマネジメントで経験しました。
今はとにかく全力で。
昼にオフィスに戻ってから、すぐさまFacebookに情報提供を求めるとともに、頭の中にあったコネクションへ連絡を取り始めました・・・
が。早速問題発生。
でも記事が長すぎるので今回はここまで!
続きは次回「ネットは当てにならない」で書かせていただきます!
毎度読みにくい長い記事ですみません。。。
次回もなるべく早く更新します・・・
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