3.11.2018

つまづき、立ち上がる(情報収集について)

さまこんにちは。



この記事は、活動記録シリーズ第1回として、2018年2月8日〜13日 (週末除く4日間)の出来事です。

私の職種・活動概要等についてはシリーズ第0回をご覧ください!




今回の内容
#つまづき
#勝手に任務変更
#調査の開始











想と現実のギャップというのは、常に起こりうる問題です。

就職したり、転職したり、学校に入ったり・・・

環境が変わる時、「思ってたのと違う」というのは程度の差こそあれ、そしてこそあれ、必ず起こります。

協力隊員は、それまでの人生と根本的に異なる環境に飛び込みます。

それは、かつて無いほど大きなギャップを経験するチャンスです。

協力隊員の中で一番あるあるなギャップは、「要請内容と実際のニーズが違う」というものですが、これは要請が作られてからボランティアが派遣されるまでに、少なくとも1年半が経過していることから起こります。

私もこれは覚悟していました。

ところが。

私の担当調整員*はかなり凄腕で、私の赴任前に事前調査に行ってくれており、要請内容のズレが起きていないことを確認してくれていたのです。

とっても有難いです。

ただ、彼曰く

「予算が付いておらずまともな活動ができていない」

「オフィスは閑散としていて、配属先のサポートが少ないと感じるかもしれない」

とのこと。

先代隊員が任期短縮している事からも、何らかの問題があるのだろうな、とは思っていました。

そして配属されて1週間で、その難しさを体験することになります。






赴任1日目


属先から、予算が無いため、出張旅費など全ての活動資金は自腹だと伝えられます。

ただし、自分のやれる事で自由に活動して欲しいとの事。レポートさえ上げればどんな活動でもいいそうです。

職場として提供できるのもワークスペースのみで、パソコン等すべては自前で準備。

プリンターも自分で買って来てくれれば、俺らも使えて嬉しい、との事。

JICAボランティアを資金源あるいはタダで使える労働力と考えている節があります。






2日~3日目


フィスに誰も来ません。

何もしないのは癪なので、情報収集をすることにしました。

要請は「零細企業・生産者の支援」なので、まずは初代・先代隊員が支援していたグループの洗い出し。

オフィス中の全ての書類に目を通し6グループの支援対象、24グループの支援候補をリストアップしました。






4日目


い出した6グループに電話をかけてみる。

電話番号が生きていたのは2グループ。

1グループは既に解散したそう。

もう1つは活動休止中。

「休止中でも良いから挨拶に行きたい」と言いましたが、「よくわからん。活動再開したら連絡するから。プツッ」

こちらの連絡先も聞かずに切られちゃいました。

どうもこっちに興味無さそう。

いずれにしろかつて支援していたグループがほとんど死んでしまった事が分かりました。



仕方がないので支援候補の24グループに電話。

電話は2グループにつながりましたが、雨季にならないと活動はしないそうで。

「挨拶行きたいんですが。」
「えー・・・、雨季になったらまた連絡して。」

との事。



雨季になるまでは2ヶ月かかります。


1年しか活動期間がない私にとっては、あまりにも長い。


だんだんと首が絞まっていくような感覚。



の時、久しぶりに配属先の職員が出勤してきました。ケニアの公務員から依頼してもらえば、挨拶くらいには行けるはずと気分が明るくなりました。

「あなたから連絡してくれないか」という問いに、明らかに嫌そうな顔。
電話代の為にプリペイドカード買って来なさい。そしたらやるよ。」

こっちが自腹で一日中電話掛けていた後に言われると、流石にイラッとしかけました。

けど、私には1年しかありません。(一応)身内とつまらない事で喧嘩してる時間は無い。

プリカくらい買おう。それで前に進めるなら。

と、プリカを買い与え、電話が生きている4グループに電話してもらいました。


・・・ダメでした。

せっかく出勤した同僚もスネてすぐ帰っちゃいました。



夕暮れのオフィスに一人残された日本人。

支援に来たのに支援対象がいない。

一緒に頑張れる同僚もいない。

ひとりぼっち。

要請内容とのギャップどころか、任務喪失じゃないか・・・

鬱々とした気分になってきました。








その夜

風呂やトイレでの考え事は、かなり生産性が高い事を会社員時代に発見しました。

そしてそれはケニアでも色褪せる事はありません。

冷たいシャワーをあびながら、これからどうするかをぼんやりと考えていました。



支援対象が無いなら、支援対象の発掘が仕事になるはず。

支援できる相手がいないという事は、仕事が一つ増えたという事で、決して仕事が無いという事にはなりません。

企画職出身の私にとって、仕事が増えるという事は良いニュースです。

幸い、どんな活動も自由なので、支援対象探しを最初の任務にしようと思いました。



では、どうやって探そう?



派遣前訓練では、地元のお母さんたちがかなりの情報通、というアドバイスを頂いていました。地元の市場での情報収集をプランAにしましょう。


https://www.pri.org/stories/2016-01-05/ghana-s-market-women-were-once-so-powerful-they-were-targeted-coup



ですが、人の持つ情報の範囲というのは、多くの場合、人の興味関心の範囲と同じです。

お母さんたちの行動圏は、あくまでナクル市街周辺。

私が収集したい情報はナクルカウンティー全体で、ナクル市街だけではありません。

お母さんたちの持っている情報の範囲は、恐らく私の欲している情報と、深さも範囲も一致しないだろうと予想できます。



では、他の情報源は?



「支援対象探し」という目的を分解すると、

どこで、どんなグループが、何をしている

という3つの情報に細分化できます。

この3つを知っていそうな人はどんな人でしょう?

恐らく、ナクルの土地勘に優れている人物です。

そして、私の知る限り、もっとも土地勘に優れている人間は、ドライバーです。

新入社員の頃、とあるお仕事で赤帽さんとタッグを組んでユーザーさんのお宅を訪問していたことがあります。

その時、赤帽さんの土地勘の良さに脱帽しました。

ケニアではラスト1マイルの貨物配送はメジャーじゃ無いのですが、乗合バス(Matatu)はもの凄い数が走り回っていますし、乗合バスの中では、見知らぬ人間同士が仲良くおしゃべりしています。

私も乗合バスに乗るたびに友達が増えます。

ドライバーは日常的に彼らの会話を聞いているため、どこにどんな人がいて、どんな仕事をしているか、きっと詳しいだろうと仮説を立てました。

幸い、ナクル市街にはあらゆるバスの終点になっているステーションがあります。
ステーションでの聞き込みをプランBにしましょう。





更に。

配属2日~3日目に、事務所の書類をさらいましたが、その時にKEBSという認証規格について発見しました。

どうも日本のJIS企画と同じ発想のもののようで、これを取得していないと正式な市場に降ろせないそう。

このKEBSのデータベースにアクセスできれば、既にビジネスできているグループ限定になりますが、有用な情報が手に入るかも知れません。これをプランCにしましょう。



他にも情報収集の方法を考え付く限りリストアップし、期待値の高いものから試していく事にしました。



の結果は・・・

次回!

ということで、今回はこの辺で。



続きはこちら!



私の活動で、成功したものを中心に書いていこうと思っていますが、失敗したものとか、他のことも、知りたいことがあったらリクエストしてくださいね!