青年海外協力隊の同期隊員たちが続々と赴任/任地視察の報告を挙げているのを楽しく読ませていただいていますが、私も2/8に任務地のナクルへ赴任してきました。
早速活動報告!・・・・といきたい所ですが・・・
悲しいかな、活動の前にやるべきことがあります。
それは、お部屋さがし!
一般的な青年海外協力隊員は、受け入れ先が住むところを用意してくれているので、赴任したらすぐに活動に入れます。
しかし、ケニア隊は、自分で家を探さなくてはなりません。
どういう経緯でこうなったのかは分かりませんが、無いものはしょうがない。
取り敢えず、目指せ脱ホームレス!
ということで、今回はケニアで賃貸契約した時の様子をお伝えします。
©LotR
1. エージェントを決めよう
日本でも、家を探すときには仲介業者さんのオフィスに行くと思いますが、それはケニアでも同じ。
でも、ケニアの仲介業者さんの中には管理が適当だったり、外国人からぼったくったりするところが少なくありません。
まずは信頼できるエージェントさんを探さなければなりません。
今回は幸いにも、協力隊員の先輩からいいエージェントさんを紹介頂くことができました。
ここでは彼の事を、リチャード(仮名)さんと呼ぶことにします。
頼んだぞ、リチャード!!
2. 候補物件を決める
日本での家選びは、予算内で、
広くて、綺麗で、立地が良くて、隣人トラブルが無さそうで・・・
という具合に考えると思いますが、ケニアでは違います。
最優先は安全です。
塀はあるか、ガードマンはいるか、電気ショックケーブルは張り巡らされているか、グリル(ドアの外につける鉄格子)はあるか、窓に鉄格子はついているか、施錠箇所は頑丈か・・・などなど、まずはセキリュティが確保できていることが大前提です。
ケニアの治安状況はたいへん悪いです。首都を離れると多少はましですが、私のいるナクルはそこそこ大きな街ですので、油断はできません。
アジア人や白人は「お金を持っている」と認識されますので、よくターゲットにされます。
1月にケニア入りしてから1カ月ですが、この間に日本大使館から発信された日本人の犯罪被害は4件!この1カ月で強盗2件、スリ1件、置き引き1件です。
更に選挙絡みで暴動も数件発生しており、ケニアに滞在する際は安全第一で動かないとすぐ犯罪に巻き込まれると言っても過言ではありません。
幸いにもリチャードはそのことをよく理解してくれ、
ナクルでも指折りのセキリュティが整っているアパートを第一候補に。
リチャード「まずは下見に行ってみっか。」
まぎー「そだね。」
3. 候補物件のチェック
第一候補はアパートが何件も集まっているところで、その周囲には塀が張り巡らされています。まずはその外壁をチェックしていきます!
まぎー「有刺鉄線も電気ショックワイヤーもついてるね。」
リチャード「良さげやろ?ゲートにはガードマンもおるで。」
まぎー「ほんとだ!夜間には照明も?」
リチャード「せや。ここはしっかりしとんねん。」
まぎー「良い感じ!」
※イメージ図
お次は各棟のセキュリティを見ていきます。
まぎー「建物の入り口に鉄格子があるけど、閉まるの?」
リチャード「せや。夜間は封鎖されて、棟自体に入れんくなるけん、夜は早めに帰ってくるんやで。」
まぎー「ちょっと不便だけどしょうがないね。」
※イメージ図
リチャード「4階のこの部屋が候補や。」
まぎー「玄関にも鉄格子(グリル)がついてる!ありがたや。」
リ「JICAの規定も通るかね?」
ま「寝室の扉にグリルがあれば完璧。」
リ「それは無いなあ。」
ま「じゃあ別で発注するわ。」
リ「Sawasawa。とりあえず入りまひょか。」
ま「Sawa。」
部屋の中を見るとびっくり!
ただの廃墟やないかい!
ま「これは・・・ここに住めるの?」
リ「いや・・・ちょっと想定外や。修理がいる。」
ま「まず床が割れてるね。電気の配線も一部むき出し。」
リ「天井も雨漏りしかねん。」
ま「トイレの便器割れてるよ。」
リ「すまん、全面的に修理や。」
ま「この部屋セキュリティは良いんだよ。窓も全部鉄格子ついてるし、部屋も広いし、(ダイニング12畳、ベッドルーム3つ、トイレ・バスはセパレート、ほか洗濯室あり)できればここがいい。」
リ「2月中には直す。それでどや?」
ま「JICAの規定で10日間しかホテル使えないの。」
リ「職人2人入れたらぎり1週間で行ける。」
ま「行ける?」
リ「期日が伸びると工事費かさんで損するんはこっちや。意地でもやらす。」
ま「工事費はそっち持ちでOKね?」
リ「そのためのデポジットやからなあ・・・」
ま「カビサ(完璧)!」
リ「ほなオフィスに戻って詳細つめまひょか。」
4. 賃貸契約
オフィスに戻るといよいよお金と契約内容のお話。
ま「アグリーメントのフォームはある?」
リ「あるで。今作るけん、ちょっと待っとって。」
カタカタカタ・・・タンッ
リ「ほい。」
ま「ふむふむ・・・」
一目見て結構しっかりした契約書になっていて感心しました。
賃貸費用以外は日本と共通する部分がほとんどでした。
賃貸に関わる費用の内訳はこんな感じ。
レンタルフィー(賃借料)
=月額性の家賃
レンタルデポジット
=1カ月分の家賃をデポジットとして渡す。
家をきれいに使えば最後に戻ってくる。
つまり敷金的なもの。
その他デポジット
電気デポジット・水道デポジット・セキュリティーデポジット
日本と違って戻ってくることが多いようです。
アグリーメントフィー
=契約手数料
エージェントフィー
=仲介手数料(これが礼金の代わり。)
ま「保険の条項が無いけど、どうなってんの?隣人が火事起こしたときとか。」
リ「それは個人で入ってくれ。」
ま「了解。この内容でJICAの確認を取ってみるよ。また明日。」
リ「良い返事待っとるで!」
こんな具合で初日は終了。
http://free-photos.gatag.net/2013/09/08/010000.html
その夜。
ま「家賃の申請上げました。確認お願いします。」
JICA「微妙に予算超過してるね・・・何とか予算内で収まるように頑張って。あとエージェントフィー(仲介手数料)が高い!ぼられてんじゃない?」
ま「過去に隊員がお世話になった時、ほとんど同じ額を払ってるみたいなんすけど。」
J「確認するわ・・・・ほんとだね。」
ま「実績がある以上、難しいとは思いますが値下げ交渉してみましょうか?」
J「うん、トライしてみて。」
ということで、翌日値下げ交渉開始!
ケニアの不動産屋と日本の不動産屋の一番の違いは、値下げ交渉が普通である点です。
外国人の私(=金持ち層)にはかなりきついですが、値下げにトライしてみました。
リ「頼むで大将ー。値下げ言われても無理やで。」
ま「予算超過で許可が下りないの。何とか頑張れない?」
リ「無理!」
ま「うーん、、、そういえば、契約内容にセキュリティフィー(警備費用)入ってるよね。JICAの規定では別申請できるんだ。これ別出しできない?」
リ「そんなんやったことないから警備費用がいくらか決めてないねん。」
ま「(まじか・・・)セキリュティの設備自体は年いってそうだから、減価償却終わってる前提にすると、警備費用の内訳は電気代と警備員が主でしょ?セキュリティ会社の契約料と概算の電気代出して。」
リ「うーん・・・こんなもんかいな。」
ま「1棟あたり8世帯でしょ?全部で〇棟あって、稼働率の期待値を・・・いま何割くらい埋まってる?」
リ「9割。」
ま「じゃああの一角に〇世帯いるのが平均として、合計金額を〇で割ると・・・こんなもんでしょ。」
リ「おお、妥当な気がする。」
ま「それじゃこれを家賃から引いて。別で計上するから。」
リ「おけ。」
これで家賃は解決。
ま「あと、JICAがエージェントフィー高すぎって言ってんだ。外国人価格だってばれてんだよね。なんとかならないかなあ。」
リ「外国人価格とかとんでもない!(目が慌ててる)」
リ「うちは家賃の半分って取り決めやねん!」
ま「あれ、今の家賃は警備費用抜いてこの金額だから、値下げしてくれなきゃいけないよ。(しめしめ)」
リ「そんなー!頼むで大将ー!警備費用抜いたんはそっちの都合やん!」
ま「リチャード、聞いてくれ。確かに今言ったことは論理的だが強引だと思う。それは申し訳ない。」
ま「でも、そこを飲んでくれないと俺はほかのエージェントを探さなきゃいけないし、あんたは金払いのいい日本人の客を失うことになる。お互い損する。でも、ここで値下げしてくれたら、俺はあんたを親切なエージェントとしてこれから来る新しい隊員に紹介できる。そうなるとみんなハッピーじゃないか。」
リ「・・・そうやな。口コミと評判は命や。」
ま「ありがとうリチャード!」
リ「そん代わり今日中に全費用とデポジット。全額ほしい。」
ま「分かった。一緒に銀行に行こう。その前にJICAに確認とるよ。」
こうして無事、賃貸契約を交わすことができました!
英語力にこれほど感謝した日はありません。英語やっといて良かった・・・
あとは工事の進捗遅れを気にするくらいで何とかなるのではないかと思います。
赴任初日(2/8)とその翌日のほとんどを家探しに使ってしまってもったいなかったのですが、まあ、しょうがない。
家に住めるようになるまでは辛抱かなと思います。
今回はここまで!
次回は活動内容やミッションなどをかければなーと思っています。
それではまた。
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